『阿弥陀経』を読む1

お釈迦さまが説かれたお経は「八万四千(はちまんしせん)の法門」と表現されるほど、数多く存在します。


医者は患者に対し、それぞれの病気に応じた薬を与えるように、


お釈迦さまは相手に対し、それぞれの能力や性質に応じて、一人ひとりに合った教えを説かれました。

つまり、人の数だけお釈迦さまの説法があるのです。

このことを

・応病与薬(おうびょうよやく)
・対機説法(たいきせっぽう)

といいます。


浄土真宗の宗祖である親鸞聖人は、無数にあるお経の中から

○『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)
○『仏説観無量寿経(ぶっせつかんむりょうじゅきょう)
○『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)

浄土三部経(じょうどさんぶきょう)を依りどころとされました。

中でも『仏説阿弥陀経』は法事で読経されることの多いお経です。


中国の高僧である善導大師は、『阿弥陀経』が四枚の紙におさまることから『四紙弥陀経(ししみだきょう)』と呼んでいます。


実際に文字を数えると、わずか1857字。私たちが使う原稿用紙でも四枚半ほどの分量です。


浄土真宗以外の宗派でも用いられるため、日本仏教では『般若心経』に次いでよく読誦される経典です。


しかし、すべて漢文で書かれているので難解に感じる方も多いでしょう。


先生の本を参考にして寺報用に書いた『阿弥陀経』の連載原稿を次回から掲載していきます。

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2018年09月02日