「役に立つか」で選ぶほど 人生は「役立たず」に怯えていく

現代の日本人は「経済的に豊かなことはいいことだ」「仕事や暮らしに役に立つものはいいものだ」と、便利さや効率を追い求めて生きてきました。
何ごとも効率一辺倒。物事を判断する場合「自分や社会にとって役に立つかどうか」を優先します。しかし役に立つものが必ずしも真実なものとはかぎりません。役に立つものばかりを追い求めていると、しまいには弱い立場の人間を「役に立たないから」と切り捨て、友人までも自分の利益追求の手段としか考えない悲しい人間になりかねません。
さらに「役立たず」と言われたら、自分の人生さえも無意味なものと感じてしまう寂しい人間になりかねないのです。

効率だけに囚われない「こころ豊かな人生」を送るためには、日常の中で自分の仕事や家庭を顧みることから始め、少しずつでも「人生の真実とは何か」「自他ともにこころ豊かに生きられる社会とは何か」ということにこころを向けるようにしたいものです。

人生の真実とは、自分のいのちそのものの可能性を十分に活かして生きることです。人にはそれぞれいろいろな可能性があります。「あれもダメ」「これもダメ」と自ら可能性を閉じていくのではなく、可能性に向かって精いっぱい生きていこうとするところから、本当の豊かさは開けるのです。

また、大切なのは不誠実な生き方をなるべくしないことです。上辺を飾って、思っていることと違うことを述べざるを得ないとか、生きるために正しくないことをせざるをえなくなることは、どんな人も多かれ少なかれ抱えている問題です。
それを「仕方がない」と開き直ってしまうのではなく「少しでも不誠実な生き方をするまい」と思って日々を過ごすのが、本当の豊かな生き方といえるでしょう。

よい社会とは出来る限り暴力を使わないで成り立つ、格差の少ない世の中のことです。人は誰でもこころの奥では「お互いが助けあっていきたい」と思っていますが、現実は程遠い社会になっています。「仕方がない」と諦めるのではなく「自他ともに」という視点から社会の現実を照らしていくことが大切です。
実際にそういう視点で社会を見ると、恵まれない人たちに尽くしたいと、日本国内だけでなく遠く海外でも頑張っている方がすでにいます。また、世の中の不公正をなんとか改めようと努力している方もたくさんいます。
そうした自他ともにこころ豊かに生きられる社会を目指す方々の働きに学んでいきたいものです。

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2026年02月01日