自己紹介

会所のご住職と「40分や60分の法話をする際に自己紹介は必要か」という話題になりました。


「M-1グランプリ」という漫才コンテストで初の2連覇をした漫才コンビ「令和ロマン」の髙比良くるまさんの書いた文章が興味深かったです。

東京で活動してた私が関西の劇場に出るようになって最初に感じた違和感は、「ツカミ」がウケないなぁ、という部分でした。特に、ネタに関係のない自己紹介的ツカミ。
それまで関東では、自分たちのことを知らないお客さんが多い時は必ず、コンビ名と個人名を言うだけでなくて、学歴や運動歴などを絡めたボケを入れてから本ネタに入るようにしていました。
そこを疎かにするとお客さんの集中力が低く、ウケにくい傾向にあったからです。5分出番があったら1分はそこに時間を割いていました。
しかし関西ではそこがウケず、まずいと思って更にツカミを追加するもウケず、本ネタが2分ほどしかできずウケず終わる、という地獄を経験しました。

簡単に言うと「そんなんええから早よ漫才見せてや」って思わせてしまってたんでしょうね。
漫才の見方は分かってるからこそ、「ツカミ」が蛇足になってしまってる。
甲子園での試合前に、野球ファン向けにわざわざ野球のルールを説明しているようなものです。

関西で大事なのは「何をやっているか」。
関東で大事なのは「誰がやっているか」。
ざっくりまとめるとこんな感じでしょうか。
これは関東の人が内容を気にしてない、という訳ではなく、まず漫才に慣れるために人間を認識する必要がある、ということです。

漫才は「会話」という日常を作品化している かなり繊細な芸術であり、これにプロ性を感じて楽しむことは、コントや映像ネタを見るより少し難しい作業。
お笑いファンになって漫才を見る回数を重ねていくと大阪人のように、「今からどっちかがボケてどっちかがツッコむのだろう」という筋が見えてくると思いますが、関東では普段の会話をそこまで構造的に捉えてない人たちが多い訳で、まずはその人間性で笑うことが精一杯なのかと思います。

引用(「令和ロマン髙比良くるまの漫才過剰考察」【第2回】「様式美と意外性」東西の漫才の違いとは)https://korekara.news/rensai/7077/

「漫才に慣れていない人が多い関東では自己紹介が必要」ということのようです。


漫才と法話は別物ですが、確かに首都圏の法座に関するアンケート結果を見ていると東京のお寺など「法話に慣れていない人が多い場」では自己紹介が必要なのかもしれません。


東日本より浄土真宗のお寺や法座数の多い西日本の先生は「自己紹介は必要ない」とおっしゃる方が多いです。
確かに法話に慣れている人が多い場ではすぐに本題に入りたいです……地域性が出ますね。

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2025年06月21日