広島県にある「真宗学寮」にて報恩講が営まれています。
真宗学寮は、専門的な真宗学、仏教学を無料で学べる機関です。明治39(1906)5月の創設以来、「誰でも宗学が学べる研鑽道場」という初代学頭 高松悟峰(ごほう)和上の理念により、無料で受講できるという体制が貫かれています。 どなたでも専門的な宗学を学んでいただけます。
授業料無料。入学は常時受け付けています。
毎年10月1日~5日の開催です。
本日は富山県・松尾宣昭和上による特別法話があります。
講題は「祖母はなぜ地獄図を拝んでいたのか」。
ご法話の中の「三世因果の道理と輪廻転生の教説」について高松和上の文章をご紹介されていました。
仏法を聴聞させて頂きますには、第一に因果の道理を心得させてもらわねばなりません。〔中略〕お浄土まいりに善根を積む用意はいりませんが、因果の道理の心得だけはほしいものでございます。善因善果悪因悪果、これが天地間の道理でございます。(『高松悟峰和上語録』p.329-330)
仏教というものは、大体から申すと、因果の道理を説いたものであります。〔中略〕お経の中に三世因果ということの説いてないお経は、一巻もありません。〔中略〕因果ということは、ただ釈迦がそう教えているというばかりでなく、宇宙の万象ことごとく原因結果の外に出ません。〔中略〕学問で申せば、小学校の教えから大学の教えに至るまで、因果の法則に外れるものは一つもない。しかし世間の学問は、物質界でこの因果の法則を述べている。精神界の原因結果を教えていません。釈迦の教え、仏教の因果というものは、これに反して、我々の心を本位に説かれたものであります。(『高松悟峰和上語録』p.83-85)
元来、仏法のことは、凡夫の知識で直ちに信ぜられるようなことならば、釈尊の御苦労も、善知識の御化導も、用のないことであります。されば、よくよく御化導によりて善因善果・悪因悪果の道理を聞きわけて、同時に我が身の罪悪の深きことを省み、仏の御説法の間違いなきことをよくよく聴聞せられましたら、世の中に仏の説法ほど確かなことは外にないことを御了解ができたれば、地獄極楽の存在は、確信されねばならぬことであります。(『高松和上御示談御法話集』p.2)